学会の概要Overview of the society

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理事長の挨拶

理事長 吉沢豊予子

向春の候、会員の皆様におかれましては、ご清祥のこととお喜び申し上げます。昨年の能登半島地震という大災害、そして復旧、復興がままならないままの9月の大豪雨と立て続けの災害は、私たちに地球規模での気候変動による様々な危機感を募らせる1年でありました。まだ、復旧、復興の途上におられる皆様に心からお見舞いを申し上げます。

さて、2025年は干支でいう巳年にあたり、蛇は脱皮するイメージから「復活と再生」さらには「新しく生まれ変わる、次の命の誕生」という意味があるようです。日本のみならず世界が新しくよみがえる年にしたいものです。

理事長 吉沢豊予子

以下、2024年度日本看護科学学会(以下、JANS)の活動について、簡単にご報告申し上げます。

日本看護科学学会の重要な事業である学術集会ですが、第44回学術集会は「格差社会への看護科学の挑戦-想像を超えた未来を創造する-」をテーマに、12月7日~8日の2日間、学術集会長前田ひとみ先生のもと熊本城ホールをメインに開催されました。多発する大災害、世の中の情勢の不和による様々な影響が、健康格差を含め、多様な格差を引き起こしています。それに向けて看護科学がどう挑んでいくのかそれをいち早く考える場でもあり、各種講演やシンポジウム、交流集会、English Sessionなど演題数は1,000を超え、盛会に終えることができました。あらためて学術集会の素晴らしさを実感することができ、前田ひとみ学術集会長をはじめ関係の皆様に感謝申し上げます。

次に、学会の事業についてですが、今期も、これまでの活動を各委員会が順調に拡大し、活発化させております。これまでにまして、若手研究者の活性化に力を入れて参りましたが、6月の社員総会でお認め頂いた学生会員が1月より発足いたしました。将来学会正会員となる方々の種まき的事業になります。

もう一つ、今期は、「市民をどう巻き込むか」に力を入れて参りました。看護学のシチズンサイエンスということを一昨年のJANAとの合同講演会でお話をさせていただきました。看護は“専門職のみが提供するもの”という考えに、どう市民は私毎としてかかわることができるのか、シチズンサイエンスと並べてユーザーデモクラシーという言葉もFacebookに投稿させていただき、看護をもっと意識的に市民のものにしたいという思いをJANSの中に浸透させてきました。その一つの動きとして今年4月には、JANSのHPがリニューアルしますが、その中で、「一般の方へ」という窓口が開設されます。JANSが市民に近づき、市民が看護にさらに興味をもって頂くものと期待しています。ただ、これらの活発な事業は学会運営に喜ばしいことではありますが、更なる事業の拡大が公益社団法人であるが故の財源確保の問題として顕在化してきています。何を重点課題にして事業を展開していくか、2025年度の大きな課題であると考えます。

2025年、JANSは今年理事選挙も行われ、巳年らしく新しく生まれ変わる年になります。看護学の更なるイノベーションが起こる年にもなることでしょう。今後は、社員総会、学会総会で直接、社員・会員の皆様とお目にかかり、忌憚のないご意見をいただき、活発な学会運営ができるよう理事・監事とも協力し、理事会運営を進めていく所存でございます。

2025年2月吉日